私流!うさぎの動物病院の選びかた

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 うさぎを飼うにあたり、動物病院を決めるにあたり重視したことについて書きました。

病院選びって必要なの?

 うさぎは草食動物であり、常に「食べられてしまう側の生き物」です。自然界では襲いやすい子どもを始め、弱った個体が捕食される対象になりやすいため、調子が悪いことを相手に悟られないように生きてきました。現在のペットとしてのカイウサギは品種改良されたものではあるものの、遺伝子に組み込まれた潜在意識として「調子が悪くても隠す」という本能は残っていると考えられています。
 以上のことから、飼い主が「あれ?調子悪い?」と気づいたときには数日前から体調が悪いことが多く、手遅れになる寸前でやっと判明することも多いと言われています。また、うさぎは特殊な体の構造をもっているため、あっという間に重篤な状況に追い込まれやすいのも特徴です。

 うさぎの世界では、「調子が悪くなったらすぐに病院へ!」が合言葉のようになっており、ぐずぐず病院を探している暇などありません。調子が悪くなる前に病院を探しておくことが必要になってきます。また、病気の早期発見のために、定期検診で「かかりつけ」を作っておきましょう。

私が選んだ基準

<実際に動物病院に行く前にチェックすること>

①うさぎの診療ができるのか
 診療動物に「うさぎ」が入っていない病院は、診察できません。
 私は診療動物の欄の何番目に書いてあるかも重視しました。本当かは分かりませんが、得意な順番に書かれていることが多いと聞いたことがあるため、3番目に入っている病院以外は候補から外しました(例:イヌ、ネコ、ウサギ)。

②診療の時間帯(夜間対応)、休診日(祝祭日含め)はどうか
 複数のかかりつけ候補が決まったら、今度は診療の時間帯をチェックします。「A病院が休みの時はB病院にいく。」「A病院は夜間対応してないから、夜間は対応しているC病院に行く」など時間帯、休診日を考えてどこに行くか決めていきます。特に夜間救急の場合は、複数件ピックアップしておくと便利です。

③自宅からのアクセスが良いか
 いくら有名で腕が確かな獣医師がいる病院でも、片道何時間もかかるような場所の場合、「かかりつけ」として適切なのかというと、私はそうではないと思います。また、私は自家用車を持っていないので公共交通機関を利用することになるため、アクセスが良いか、交通費はいくらかかるのかも計算しました。タクシーを利用する場合は、うさぎを同乗させていいのか、という新たな問題も出てきます。

④口コミ(ホームページ、他のうさぎ飼いのブログ・直接聞くなど)
 ネットでの口コミはあまり参考にならないかもしれません。というのも、普通または丁寧な対応をされて口コミを書く人よりも、何かがあって怒っている人が書く口コミの方が多いと思うからです。また、怒って口コミを書いてしまう人の場合、本当にそういう事実があったのかの信憑性が疑われます。そこで、この人の他の口コミが妥当なのかどうか…としていると時間がいくらあっても足りません。
 そこで、交流のあるうさぎ飼い同士の口コミはある程度参考にするのが妥当だと思います。実際に行ってみてどうだったか、のリアルな口コミに勝るものはありません。さらに、交流があれば行く前にいろいろと質問もできる安心材料付き。

⑤担当医師の経歴
 これはチェックしなくても良いですが、私はどのくらいうさぎに携わってきたのかの指標として参考にしました。どこの病院でどのくらい勤務して等、大まかな情報しかわかりませんが、うさぎを診療動物として構えている病院に勤務していた場合とそうでない場合とを比べてしまうと、どうしてもうさぎ関連の動物病院にいた獣医師の方が安心感があります(たとえ、うさぎを診療していなかったとしても)。

⑥保険は使えるのか
 ペット保険に加入されている人は必ずチェックしましょう。

<直接確かめるもの>

①待合室が整理整頓されているか、清潔か
 病院ですので、衛生管理はとても重要です。

②他の動物がむやみにキャリーから出ていないか
 飼い主の質が悪いこともそうですが、患者を注意できないスタッフしかいないのかと不安です。

③診察料が明確か
 安ければいい、高ければいい、ということではなく。
 飼い主側として何にいくらかかったのか、もしくはかかるのか、明細の開示は非常に重要です。

④飼い主の話を傾聴してくれるか
 動物は言葉を話せません。診療に必要と思われる情報を飼い主から聞き出す能力は重要です。飼い主の話を(最低限)聞いてくれない獣医師は、診療しているのか、本当の原因を探ろうとしているのか疑問です。※必要以上に聞いてほしいわけではありませんし、診療の妨げになる様ないらない情報ばかりでも獣医師の方が困ります。

⑤丁寧な言葉使いか、分かりやすく説明してくれるのか
 丁寧な言葉使いは社会人として当たり前。
 また、専門用語をしっかり噛み砕いて、一般人でも分かる様に説明してくれるのか。専門用語を並べられても、理解できなければ診療に必要な意思決定はできません。

⑥様々な可能性を示すが、決定権は飼い主側にあるのか
 全部が全部飼い主に任せるわけではないけれど、飼い主が後悔しない選択をさせてくれるのかは重要です。

最後に

 多くの項目を書きましたが、私が大事にしているのは(極論ではありますが)「この獣医に殺されてもいいか、後悔しないか」だけを判断しています。どんなに有名な獣医師でも、どんなに腕の良い獣医師でも、結局どんな結果になろうとも「あなたを信頼する」という気持ちが私たち飼い主が持てるかどうかです。Aさんの「良いね」が、Bさんに当てはまるとは限りません。また、長い闘病の際には二人三脚のような状況になります。それをともに戦える仲間であるのか、上記のポイントでははかれない部分も多くあります。むしろ、上記のポイントを無視してでもこの獣医師がいいと思う場面もあると思います。
 早い段階から信頼できる獣医師を見つけておくことがうさぎにとっても、飼い主にとっても安心だと思います。