エンセファリトゾーン症になったうさぎ〜6-7病日目

rabbit

↑この記事は上記の動画をもとに作成しております。

あらすじ

 2021年5月31日にエンセファリトゾーン症を発症したうさぎのごんた。急性期リハビリをすぐに開始。薬とリハビリの効果が見え始め、少しずつ自分で動けるようになってきている。あと数日を残し「半日留守番ができる」を目標に日々を過ごしている。

留守番をするために必要なこと

・自分で水分補給ができる
・少し遠い牧草も食べられる

自我の芽生え/自分で水を飲んでみる

 6日目。
 私がごんたに何かやろうとすると嫌がるようになりました。シリンジで水を飲むのもイヤというので、目の前に水を入れたお皿を置いてみました。すると、前足でお皿を傾け、飲んでいるというよりもこぼしているような状況になりました。物理的に傾かなければこぼれないし、今までのノズル型の給水器は、ごんたが上を向けないので絶対に飲めません。
そこで友人に頼んでインサイドディッシュドリンカー(お皿型のボトル)を買ってきてもらいました。きっとごんたは自分でできると伝えてくれています。インサイドディッシュドリンカーの取り付け位置は微妙でしたが、それでも自分で飲んでくれました。口の周りももちろん自分でベロベロできます。この日だけでシリンジも合わせて120ml飲めるようになりました。

 歩行練習も自分で行きたい方を示してくれるようになりました。すると、お気に入りの食べられるタイプのおもちゃの方に行き、もぐもぐ。笑ってしまいました。一通り食べ終えると、次も行きたいところがあるようです。トイレでした!!!乗った方向がイマイチ寄りかかれない方向だったので向きを直してあげたら、すぐにおしっこをしてくれました。

 この日を境に自分でやるという意志がさらに強くなりました。これが自我の芽生え…。

 リハビリも継続。「嫌なことはやらない」精神は健在なので、右横から頭をあげる練習は段差をつけて、ごんたが努力しないと落ちるように環境調整して何が何でもやらせました。「あなたは右側に転ぶのよ。転んだ方から起き上がれなくてどうするのよ」と何度も言いました。ごんたもとても嫌な顔をしています。本当に落ちないように介助はするけれど、それは本当にギリギリの話。そんなスパルタな練習を重ねて、頭をあげられるようになりました。そして、自分が落ちない位置まで前足で少し自分の体の位置をずらすことにも成功。私は拍手をしながら、大喜びしました。

 夕ごはん。ついにキャリーから出て、お部屋で食べてみます。今まで通り、ごんたとこうたと並んで食べられるようになってほしかったです。病前はごはんが嬉しくて部屋を一周走りしてからごはんをもらっていたけど、いまは嬉しくて「のたうち」まわっていました。
 ごはんをいざあげてみると、キャリーのように体を支える部分がないため、どんどんお皿から体が離れていきました。食べようと、お皿に近づこうとすればするほど、体は右の方に逸れてどんどん遠くなる。ごんたは「なんで?」という顔をしていました。しかし、右に倒れてもちゃんと頭をあげて野菜を見つめています。スフィンクスポーズを自分で取れていました。
 自分ではどうにもできず、私が体を持ち上げてお皿に近づけると野菜を頬張りました。ごんたは野菜を食べやすく口先で回転させようとするたびに、体が大きく揺れました。そして食べたい野菜には体が揺れてたどり着かず、仕方がなく、近くの野菜から食べるようになっていました。食べ終わるまで私はずっとごんたの体を支え続け、食べやすいようにお皿を回転させたり、野菜をなるべくごんたの口元近くに寄せました。さすがにこうたの野菜までは取ろうとはしませんでした。このままだとこうたのお皿まで辿り着けないと分かっていたんでしょう。
 野菜の次はペレットをあげました。元気だった頃に食べていた順番にあげるようにしました。ペレットはまだ全量食べられません。

 こうたもごんたが横で一緒にごはんを食べて嬉しそうでした。ただ、こうたもごんたばかりでなく、自分も構ってほしいと思っているようでした。いや、ごんたを取られて機嫌が悪かったのかもしれません。おうちに何羽かうさぎさんがいる場合、病気をしている方を優先しがちです。しかし、元気なほうのうさぎさんのケアもかなり重要だと思います。飼い主の隙をついてお腹が痛くなったりなどの体調が悪くなったり、気づくのが遅れたりするからです。

通院の日

 発症から7日目。通院の日です。
 体重が1週間前から200gも減少していました。1426g。かなり体は弱っており、血圧が低すぎて採血ができませんでした。ごはんは自分で食べられる分は自分で食べさせ、プラスで強制給餌するように言われました。目標は今まで食べていたペレットを全量食べられるようになるまでです。大発作はないものの神経症状もかなり強く出ていたので、薬がさらに追加になりました。ステロイド系の薬も投与することになりました。発症直後もステロイドを服用させましたが、今度は少し長い期間飲ませることになりました。1週間が経ち、病院の結果をもって明日から仕事に行く予定でしたが、良い報告はありませんでした。リハビリは続けるように初めて指示が出ました。

 私は今までの経過から少しはよくなっていると思っていました。実際、病院での結果は正反対のものでした。私が良くなったと感じていたことは、エンセではなく、お腹の調子のことでした。一昨日の深夜から盲腸糞をみかけるようになったのです。見つけた時にはもう乾燥していました。そして、この日の朝もカピカピの盲腸糞をみかけて大喜びしていました。盲腸糞は時間が安定して出ているわけではなかったものの、出ているだけで十分でした。

 この日の夜から強制給餌をスタートさせました。ごんたも嫌々ながら、私の不慣れな給餌を受け入れてくれました。ハービィケアという強制給餌用で、味はアップルバナナ味でした。ごんたが好きそうな味でした。実はごんたは背骨がはっきりと分かるくらいに、骨皮うさぎになっていました。私は後でyoutubeでごんたの背中を「エベレスト」と表現しましたが、まさにあんな感じでした。てっぺんの周りは絶壁で、細い尾根がずっと続いている感じです。でも、正直、ペレットも野菜もこれ以上自分では食べられなかったので、ほっとしました。強制給餌をしても良いということは、新たな改善の可能性の方法を試しても良いと言われたようなものでした。

 強制給餌をするのは初めてだったので、与える量の3倍近く作ってしまったり、ごんたの口周りをベッタベタにしてしまいました。ごんたも飼い主も初めての体験ばかりで、手探りで進んでいる状況でした。

まとめ

 あまりにも特定の何かに固執すると視野が狭くなり、本当の問題点が見えなくなる時があります。第三者の目(今回は獣医師)がいることで、自分の視野が広がり、もう一度頭の中を整理することができました。また、病気をしたうさぎだけでなく複数羽いる時は、そちらのうさぎ、もしくは動物にも配慮が必要です。みんなで体調が悪くなることだけは避けなければいけません。また、自分が動けない時に頼める人が近くにいることで、それだけで大きな力になります。日頃からどれだけ自分がペットを愛しているかを伝えることも大事だと思いました。SNSを利用してみんなの体験を聞いたり、困ったことがあったら聞ける関係性を普段から構築することも重要だと思います。