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2024年2月12日うさぎの芽愛が骨折しました。
この記事では、受傷から1年のまとめを書いています。
受傷
一緒に遊んでいたところ楽しくなって大ジャンプ。着地に失敗。その後、片足を持ち上げる歩き方になる。
受診

かかりつけ医の受診
診断:右大腿骨頸部骨折(らせん骨折、斜骨折、粉砕骨折…骨片が非常に多い)
治療方針:
1、手術できない・しない場合
テーピングで固定して癒合を待つ→2ヶ月はかかる、ちゃんと歩けなくなる可能性あり。癒合ができなかった場合、骨が鋭利なので開放する(骨が皮膚を突き破る)可能性がある。開放した場合は感染リスクがあるため、断脚になる。芽愛は体が大きいため、他の足への負担が増え、うまく動けなくなる可能性がある。
2、手術をする場合
手術できない可能性の方が大きい。いずれにせよ、ここでは手術ができない。整形外科が得意な病院を紹介する。すぐに受診して相談しましょう。
以上の診察で、痛み止めの注射を打ってもらう。かかりつけ医には、手術できる可能性があるならやりたい旨を伝え、すぐに紹介先の病院へ。
紹介先の受診
診断:かかりつけ医と同様
治療方針:
・今すぐにはどうにもできない。
・手術ができるかどうかの判断に時間がかかる(複雑な骨折のため治療方針を固める必要があるのと機材を揃える必要がある。4〜5日かかる)
手術のリスク:
もし、手術ができるとしても…手術中に再骨折する可能性がある。その場合は断脚となる場合がある。
4歳(もうすぐ5歳)という年齢から、骨の再生能は落ちている。手術をしてうまくいっても、その後、骨癒合しない可能性がある。
治療方針決定までの過ごし方:
・ケージレストの徹底。段差は絶対だめ。
・鬱滞に注意。薬を出す。
その他:
手術をすることになったら、もう一度来院し、受診が必要。
体調の変化が少しでもあったら受診。
薬の内容:
胃腸を動かす薬、痛み止め
まさかの患部はそのままで自宅待機することに…
手術までの待機期間
気をつけたこと
1、骨折部の負担を最小限にする→動きを最小にする
再骨折、開放骨折になるリスクがあるため
2、鬱滞の予防
痛みと動かない状況でストレス過多になるため、特に注意が必要。
ケージレスト用レイアウト(術前)
獣医師に「方向転換できるスペースくらいなら良い」と指示を受けている
・ケージを80サイズから60サイズへ変更
・タオルを使って、うさぎが動けるスペースを減らす
・トイレの撤去(段差の除去)
・水と牧草を同じラインにする(左写真は牧草と水が斜向かいだが、右写真では左側に揃えている)
左写真が病院から帰った直後の応急ケージレストレイアウト。
右写真がとりあえず現状の完成形(手術後にはまた違うケージレストレイアウトにした:後述)。


その他やったこと
1、体調管理の徹底
・目視による外傷の有無の確認(骨が飛び出て開放していないか)
・排泄の確認(尿量、糞量は適正か、盲腸糞を食べられているか)
・牧草・ペレットの食いつき/食事量チェック
・痛がっていたり、悲しんでいたり、イライラしていないかのチェック
2、必ずお互いが視界に入るところにいる/頻繁に話しかける
特に他のうさぎと遊んでいるときは注意していた。うさぎにもメンタルケアは大事だと思う。
治療方針を決めるための半日入院と再検査

血液検査:
全てに結果が乱数となっているが、血が固まりにくい傾向がある。手術ができない程ではない。
CT:
・大腿骨骨頭が割れてしまっている。粉砕されているので、整復できるのか。
・関節自体がダメージを受けている。後々、関節炎になったり、整復したものが割れるリスクがある。割れた場合、大腿骨頭の除去(再手術)が必要になる。
・手術自体が失敗する可能性がある。うまくいっても、再骨折し、断脚となる可能性がある。
その他:
・心臓が少し大きい
今回の結果をもって、もう一度手術が可能か話し合う。
手術可能の連絡と決断
電話にて「手術可能」と伝えられる。別日に来院して説明を受ける。
手術方法:骨頭切除、骨幹部はワイヤーとプレートで固定(うさぎには「人工関節」という選択肢はない)
メリット:
・骨頭を切除する(関節がなくなる)ので関節炎などのリスクが軽減できる
・足の向きが今よりも改善する
・足が少し使えるようになる可能性がある
リスク:
・手術をしても機能改善は難しい。最悪、足を全く使えない可能性もある。
・手術をしなくても、その後で断脚になる可能性がある。関節炎などを併発する恐れがある。
以上の説明を受けて、私は可能性に賭けることにしました。
このまま何もしなければ、足は使えないし、将来的に痛みを出してしまうし、足を失うリスクが消えるわけではない。だったら、少しでも動く可能性がある方を選びました。
手術と入院
受傷から12日経ち、ようやく手術日。
事前検査を午前に済ませ、2時間弱かかった手術は成功。ピン4本、ワイヤー2本を使用。
そのまま入院となる。入院中は個室・床で生活していたようです。


1週間の入院で面会可能回数は1回でしたが、ごはんを届けたり、経過を聞いたりと結局5日くらいは病院へ通いました。その間、受傷してから著しく体重が落ちていたため、高タンパクなペレットへ変更しました。
入院はちょうど1週間。
退院までの準備
・体重減少していたのでペレットの変更
・ケージの準備(待機期間の反省を踏まえて作り直し:後述)

退院後の生活
退院後の指示
・1ヶ月のケージレスト(段差絶対禁止)
・抜糸までエリザベスカラー必須
・投薬(抗生剤、消炎鎮痛剤、駆虫薬)
・他の子と遊ばせない
ケージレスト用レイアウト(術後)
「ケージ内だったら少しは動いてもいいよ系ケージレスト」をまとめます。
術前の「方向転換はしてもいいよ系ケージレスト」は前述の写真をご覧ください。


ポイント①
ケージレストは患部を動くことで悪化させないために必要です。最低限の動きで快適な生活を送らせます。
つまりそれは「ソアホックとの闘い」です。
ソアホックは様々な要因でできますが、「動かない」ことで体重が一部にかかりできてしまうことが多いです。我々は「患部のために動かしたくないけど、ソアホックにはさせたくない」というワガママな願いを叶えなくてはなりません。
人間だと褥瘡予防にあたります。
人間の褥瘡予防は
①圧迫を避ける
②摩擦を避ける
③清潔にする
④栄養を摂る
です。うさぎにも当てはまりますよね。
以上を考えた上で、床面はバスマット+SUSUマットにしました。

ポイント②
エリザベスカラーをつけていると、患部に口が届かなくなるので安全です。
しかし、それは「食べることへの難易度があがる」ことと同義です。
変更点
・牧草入れ→直置き
・お皿型給水ボトル→ノズル型給水ボトル
ペレットなどは私がお皿を斜めに持ち上げていました(カラーが当たってひっくり返るため)。
盲腸糞は私が拾ってすぐに食べさせました(何時に食べているのか知っていました)。
ポイント③
ケージの下部分がないのは「段差は絶対禁忌」だったため、出てしまった時の対策に低くしました。また、バスマットを二重で敷いているのは、トイレとの段差を同じにするためです。
経過のまとめ
下記に治療経過をまとめました。
今回の骨折の受傷から治癒までの経過です。経過良好です。



骨折の治療費
動物病院によって、また手術の方法や経過によってもかかる費用は違いますが、参考に載せておきます。
⚫︎手術前
通院4回:8万850円
⚫︎入院・手術〜退院
入院日数8日間:50万610円
⚫︎退院後
通院8回:10万7360円
合計:68万8820円(交通費などは含みません)
飼い主さんに伝えたいこと
この記事を執筆するに当たって、私は苦々しい記憶を鮮明に呼び出す作業を行いました。
そして、この記事に辿り着いた飼い主さんに伝えたいこと…
骨折はしたくてしたんじゃない。させたくて、させたんじゃない。
うさぎのすぐ横にいても防げなかったんだよね。
誰よりもあなたが、自分のことを責めているでしょう。
周りにいる誰よりも非難を浴びせているのが自分自身でしょう。
一旦自分を責めるのをやめて、治療に専念しよう。
あなたの出来ることを、信頼できる人に任せながら、治していこう。
誰のせいでもないから。大丈夫だからね。
余談…


巷では、「骨折の治療は総額100万〜200万くらい、しかも予後が悪い」と言われているようですが、私は今回手術に踏み切って良かったと思っています。うさぎの骨は「ガラス」と言われるほどに脆く、手術をすること、手術後の再骨折リスクが非常に高いです。高い治療費を出して、再骨折→断脚コースになることもあるわけで…。
上記のことを知っていた私は、折れているかも…と察した時に「手術はない」と思いました。診察で手術ができるかできないかの判断に日数がかかるほどの骨折だったので、余計に「手術の選択肢は…」と思いました。ただ、私の気持ちとしては「もしダメだとしてもやってあげたい」「またぴょんぴょんできる可能性が1%でもあるなら…」というものでした。冷静に考えれば手術は妥当ではないかもしれない、でも私の気持ちは可能性に賭けたい、という二つの心で揺れていました。
初めて行く紹介先の動物病院の先生との信頼関係はできてないし、そもそもどんな人間なんだろう?とモヤモヤも募りました。めいのことを丁寧に扱ってくれるかな…若い先生だけど本当に大丈夫なのかな…。そんなこんなで私は意地悪な質問をすることにしました。ここでは内容は書きませんが、その質問にしっかりと答えていただけたのが、手術をしようと決心したきっかけでした。
もちろん、私が信頼できるのかな?と疑問に思うことは、病院側もあるわけで…。手術前の自宅待機中に、ほぼ毎日電話がかかってきていました。「めいちゃんの体調いかがですか」。私はこの電話で、どんな飼い主なのかを見極めているんだ…と感じていました。そもそも骨折させて来院しているとんでもない飼い主ってことは間違いないですし、しかも1回目と2回目の受診のときに私は大幅な遅刻をしました(別兎の病院が終わらず遅刻、タクシーが進まず遅刻)。理由は何にせよ、遅刻は信用を落とすには十分な理由。私の信用はマイナススタートだったので、私が原因で手術を断られないようにしないと、と思っていました。
そんなこんなで、骨折から1年が経ち、手術をして良かったと思っています。私は手術を勧めるわけではありません。でも、手術をしなかったら今のぴょんぴょんできるめいを見ることはできなかったと思うと、あの時の決断は正解だったと思います。
「うちでは手術できません。行っても手術はできないかもしれないけど、もしできるなら◯◯先生ならもしかしたら…」と紹介してくれたかかりつけの先生、手術を引き受けてくれた今のかかりつけの先生、励ましてくれたSNSの皆さん、痛くて辛かったけど頑張っためいに感謝しかありません。特にめいの手術後に電話を先生がくれたのですが、かけてきた時間が23時59分でした…もう頭が上がりません。足を向けて寝られません。遅くまで本当にごめんなさい、ありがとうございます。
最後に、ここまで読んでいただきありがとうございました。当時、私自身が知りたかった情報を自分の経験を通して発信しています。困った時にふと思い出していただけたら運営の励みになります。質問や感想などは各種SNSが一番早いので、そちらにお願いします。世界のうさぎさんが幸せに過ごせるように祈っています。