実録!うさぎの避妊手術。手術決断から術後のケアまでをまとめました

rabbit

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はじめに

この記事にたどりついた人の中には

「うさぎの避妊手術は頭ではやった方が良いと分かっているけど、決断できない!」

という人も多いのではないでしょうか。

・うさぎの避妊手術は本当にした方がいいの?
・手術で死んじゃうこともあるんだよね?麻酔は危険なんでしょ?
・具体的に費用はいくらかかるの?
・でもやっぱり決断するのが怖い!

私もこういった疑問や意見をもっていました。
この記事では、

・避妊手術はした方が良い派vsしない方が良い派の意見の比較
・手術は本当に危険なのか
・具体的な手術前〜手術後までの流れと費用(経験談)
・飼い主ができる手術前の準備、手術後のケア
・おまけ〜うちの子の事例

について解説していきます。

この記事を執筆している私は、うさぎを十数年飼育し、避妊手術も決断してきました。
そんな私の実体験を元に解説していきます。

避妊手術はした方が良い派vsしない方が良い派

避妊手術はした方が良い派
・婦人科系疾患の罹患率が高い(4歳以上で60%が罹患すると言われる)
・偽妊娠を防げる・攻撃性を和らげられる
・望まない妊娠を避ける

避妊手術はしない方が良い派
・健康な体を傷つけたくない
・手術の失敗が怖い
・妊娠、繁殖させたい

上記のような意見がSNSでは散見されます。

 これは飼い主による考え方の違いなので意見が割れるのは致し方ないです。飼い主自身が考え、答えを出すことが最も後悔がない決断になると思います。

 余談ですが、避妊手術を成功すれば「やって良かった」と言うし、失敗すれば「やらなければ良かった」と人は言います。ただ一つ言えることは「自分のうさぎさんのために悩み考えた時間はとても尊い」ものです。あなたがとてもうさぎさんを愛していると言う証拠なのです。

避妊手術は本当に危険なのか

 避妊手術について調べていると「手術は危険」「麻酔は危険」という言葉がよくみられます。また、こういったネガティブワードを調べると、愛兎を亡くしてしまった経験談が次々と現れ、決断ができなくなってしまいます。
 しかし「避妊手術の成功率・死亡率」などの全国平均を見て悩んでいても、あまり意味がないと思います。重要なのは、あなたが避妊手術を考えている動物病院でどのくらいの割合で事故が起きているかを知ることです。

 私が手術をお願いした動物病院では死亡事故は「0.1%以下」でした。また、避妊手術を行なっている頻度も聞き、月の半数は手術を行なっていました。そのため私は死亡事故が起こるリスクが低いと判断してお願いしました。

 たとえばこれが「月1件やっています!」「100件中10%の確率で死亡します!」と言われたらどうでしょうか。または、「教えてくれない・話を逸らされる」あるいは「絶対に大丈夫!!」と言われた場合はどうでしょうか。あなたはその病院に頼みたいと思いますか?

 病院で教えてもらった数値をどのように捉えるかは飼い主の考え方次第です。手術には「絶対」はありません。すべての手術にはリスクが伴います。避妊手術は開腹手術です。そのため、できるだけ死亡リスクを下げるためにできることは「信頼できる動物病院で行うこと」です。そのため全国の平均値は比較するための材料にもなると言えますね。

具体的な手術前〜手術後の流れと費用

 ここまで読んでくださった方は「全部、飼い主の考え方次第と言っているだけ!」と思われましたね。残念ながら、事実そうなのです。数値はただの数値。そこにどんな意味を見出すのかは人それぞれなのです。
 そこで、決断に役立つ手術前〜手術後の流れと費用を紹介いたします。「無知こそが得体の知れない恐怖の現れ」だと思っているので、私が経験した避妊手術の流れを紹介します。すべての動物病院が同じ流れ、金額ではないことをご承知ください。

避妊手術の流れ

1、主治医に相談
 →定期検診時に「避妊手術を考えている旨」を伝える
2、獣医師からの説明
 →資料にて避妊手術のメリット・デメリット・リスク・流れ・金額など伝えられる
 →話を一度家に持ち帰ったり、再度説明してもらうことも可能(私は3回説明してもらいました)
3、予約をとる・日程を決める
 →受付で直接または電話で予約する
 →手術後は1〜2日飼い主が様子を見れるようにしましょう
4、術前検査
 →手術予定日1〜2週間前に手術ができるかどうか判断するために検査を行う
(検査内容は年齢によって違うが、身体検査、血液検査、X線検査、エコー検査など)
 →術前検査の結果を説明される、手術をするかどうか・可能かどうかを話し合う
5、手術当日
 →4で手術が可能と判断されたら、決められた時間にうさぎを預ける。
 →私の場合、1日入院はない病院だったので当日にお迎えに行く(午前に預けて、夜にお迎え)
6、術後検査
 →1〜2週間後に術後の経過を見てもらう
 →抜糸が必要なら、2週間以降抜糸をする(抜糸しなくても良いように縫合してくれる時が多い)

このような流れで行いました。
手術後には体調を崩しやすいため、飼い主の休暇を取得しておくなど、急な通院に備えての余裕をもちましょう。

手術費用

 参考にうちの子にかかった金額を載せておきます。動物病院はその病院によっても金額に差があります。また、必要な処置でプラスにかかる場合もあります。

 4歳。事前検査で子宮に複数の癌があり、全ての検査をしました。
術前検査:2万円
手術費用:13万2000円
術後検査:1100円
病理検査:1万3800円
 合計 16万6900円でした。

 2歳未満だと最低8万5000円くらいになるそうです。
 また、手術中の急変などの処置がある場合は別途料金がかかります。

 安ければ悪い、高いから安全、と言うわけではないですが、財布事情は心の余裕にも繋がると思います。金額だけでは判断できませんが、若いほど金額が安いと言うことは、必要な検査が少なく、うさぎの体にも負担が少ないと言うことだと思います。

飼い主ができる手術前の準備、手術後のケア

ここでは実際に私が行なった準備やケアの一部を紹介します。

飼い主ができる手術前の準備

・体調・体重の管理
 →適正体重を維持する
 →普段と変わらない生活を意識
 →平常時の活動量、食事量(食いつき含め)、排泄物を観察する

・好きな食べものの把握
 →術後の痛みで食べられなくなる可能性大。
 →鬱滞回避のためになんでもいいから食べられるものを確保
 →薬を服用させるためにシリンジ練習もしくは好きな野菜でカモフラージュできるかも

・過ごしやすい空間の確保
 →エリザベスカラーをつけたことで「牧草入れから牧草が食べられない!」「お皿型の吸水器から水が飲めない!」「ペレット入れからペレットが食べられない!」ことが予想されます。牧草はとにかく山盛りにする。吸水器はノズルタイプを準備。ペレット入れは斜めに配置させるなどで対処できます。

飼い主ができる手術後のケア

・体調の管理
 →傷口(術部)が開いていないか、出血していないかを目視にて確認。
 →体温が下がりすぎていないかを確認。術後1〜3日はヒーターをつけていました。
 →カラー装着時は適正についているか朝晩確認

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・食事の管理
 →どのくらい食べられているかの確認
 →手術前で準備しておいた空間で牧草や水が自身で食べれるか飲めるかを確認。
 →なんでも良いので食べさせていました。主治医の指示に従ってください。

 痛みで食べられない場合もあり、鬱滞になりやすい(服薬指示が出ると思います)。
 何をどのくらい食べているのかの把握。排泄物の変化を観察。
 
盲腸糞を食べられているかの確認
 カラー装着で食べられないようなら、拾って食べさせてあげてください。

 食欲が改善しない、体温が低下しているなどの様子が見られたら、病院へすぐに行けるように準備したままにする(病院の電話番号の登録、診察券、キャリーの準備、必要があればタクシーの手配)。

おまけ〜実例!回復までの道のり

おまけとして、うちの子の回復までの道のりを食事を中心に紹介します。

表記:◯完食 △残しあり ×食べない

手術前の食事
朝 ペレット15g
夜 ペレット15g・野菜1カップ 
※完食まで15分程度

避妊手術当日(0日目)
夜 ペレット◯(病院にて)野菜○(自宅にて)
箱座りにてとても警戒される。秋だが、ヒーターで温まっている

術後1日目
朝 ペレット×
昼 ペレット× 野菜○←朝にペレットを食べなかったので与える
夕方 ペレット△←朝分のペレットを出す
夜 ペレット3時間かけて完食○ 野菜○
※野菜は食べやすいらしい

術後2日目
朝 ペレット○
昼 朝ペレットを食べたので野菜はなし
夜 ペレット△ 野菜○

術後3日目
朝晩ともにペレット○

 手術当時はまさかの食欲に驚きましたが、術後1日目に食事を摂らなくなりました。しかし、事前に好きな野菜を把握していたため、好きな野菜を与えることで食欲を出してもらえるよう働きかけました。3日目で通常のペレット量を完食するようになりましたが、牧草はまだ食べが悪い状態でした。それでも硬糞が出ている状態だったため、緊急性はないと私は判断しました。(もし、術後1日目に何も食べないようであれば病院へ行く予定でした)

 意識したこととしては、術後はとにかく甘やかしました。目の前に野菜を出して「どの野菜がいい?」「こっちを食べたいのね」に始まり、「手術がんばったね」「本当にエライ子だね!」「こんなに食べてくれたんだ!」「いっぱい飲み物飲めたね!すごい!!」「盲腸糞、自分で食べられるようになったの!?」「牧草もしっかり食べて感動しちゃう!」など、すべてのことに褒めまくりました。そして、本人の気が済むまでなでてあげました。カラーを装着していたこともあり、なでづらさはありましたが、とにかくなでてなでてなでまくりました(なでられるのがとても好きなうさぎです)。どれだけ効果があるのかはわかりませんが、「傷口痛い…」から意識を飼い主にずらせるのでおすすめです。

まとめ

 うさぎの避妊手術をするかしないかは飼い主の価値観に依存します。どちらを選択しても正解でも、不正解でもありません。私は避妊手術をする選択をしていますが、それはあくまでも信頼できる獣医師がいるからこそであり、しない選択をしても日々の体調変化に留意し、病気の早期発見や定期検診に努めれば良いと思います。うさぎの生涯に関わることだからこそ、真剣に悩んで良い決断ができるように願っています。